2008年3月14日(金)紀尾井シンフォニエッタ東京第63回定期演奏会
コリヤ・ブラッハー再び!
2年前の衝撃のベートーベンVn協奏曲以来、すっかりブラッハーさんのファンになった私はこの日を待ちわびていた。しかも今回は大好きなブラームスVn協奏曲である。昨年、ルツェルンフェスティバルオーケストラが来日した際も、ブラッハーさんのマスタークラスを見学に行ったほどだ。
さて当日。夕方に降りだした雨は土砂降り。雨に降られた観客達でホール内の湿度は高め。ブラッハーさんのストラディバリウス「トリトン」は調子を崩さないだろうかと、ちょっと心配になる。
開演後、フィガロの結婚がさくっと終わり(笑)、いよいよブラームス。
聞きなれたイントロが終わり、ブラッハー氏始動。さすがの技巧。でも今ひとつ楽器が鳴ってない気がするな~。座っている場所が悪いのかと一瞬思うが、前回のベートーベンはホール後方で聴いて抜群だったしな。やはり、湿気のせいか。しかし曲が進むに連れ、だんだんと楽器の調子も出てきたのか、抜群の演奏に聴き入る。待ってましたカデンツァ。いやー凄い。言葉にならない。決して短くはない第一楽章も演奏に引きこまれ、あっという間に終わる。隣の友人は、こんなに心にしみる奏者は久しぶりだと感激することしきり。
そして、大好きな第2楽章。さあオーボエよ、泣かせておくれ。
あれ。。。オーボエうまいんだけど、なんか泣けないな。結局泣けないまま、ヴァイオリンパートが始まった。ブラッハーさんは抜群なんだけど、オケよ、なんか物足りないなぁ。他のブログでも同じ意見の方がいらしたので、私の耳が悪いわけではないと思うのだが。。。
第2楽章から間髪入れずに第3楽章に行くかと思ったら、小休止が入る。ブラッハーさん、ひざを曲げて十分にためてからロンドをスタートさせる。あるときは軽快に、しかし十分重厚に進む。銘器トリトン、ブラッハーさんの鮮やかな技巧で高弦は澄んだ華やかな音色。ひとたび低弦に移れば、ホールを制圧する重厚な音色。バランスが素晴らしい。第3楽章、私の印象では結構早いペースの演奏で終わる。
ブラッハーさんのソロは素晴らしかった。だが、2年前のベートーベンのときのような圧倒的な感動とはちょっと違うなぁ。いまひとつ不完全燃焼だ。もちろん聴衆は拍手喝采なのだが、2年前の万雷の拍手とはちょっと違う。2日目の公演にしておけば良かったか(苦笑)。
会場で配られていたチラシを見たら、一週間前の3月7日(金)にブラッハーさんのソロリサイタルが紀尾井ホールで行われていたことを発見。なんてこった。ちゃんとチェックしておけば良かった。ブラッハーさんは素晴らしかったが、オケの印象が薄い演奏だった。
会場にいた日銀の福井総裁に感想を聴いてみたい。
ところで、福井さんよ、ドル円が瀕死状態なのに、いくら退任間際とはいえ、オケ聴いてる場合じゃないでしょ。海外の投機勢は市場介入なしとみて、やりたい放題。ドル円は一時98円台に突入しましたよ!
コメント