当初、3割~4割方の入りとの予想と異なり、開演30分前から、にわかにお客さんが増え始める。ホールのロビーでは当日券を求める人で長蛇の列。実は小澤の広報スタッフがイタリアの新聞3紙にインタビュー記事とコンサートの告知を出してもらうよう、働きかけたとのこと。イタリア人特有の駆け込み気質も手伝ってか、1階ホールはほぼ満席。
武満徹「レクイエム」、バルトーク「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」が終わり、チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」。コントラバスによるエンディングの余韻後、ブラボーと歓声があがり、爆発的な拍手が巻き起こった。
3割しか観客が入らないかもしれないと危機感と不安感を持って挑んだミラノは、感動的なフィナーレを迎えた。
アンコールの「花のワルツ」を含む全ての演奏が終わり、メンバーたちが互いに握手を交わし、抱き合う。小澤はひとりひとりを指差し、満面の笑顔で健闘を讃える。
楽屋に戻ってきた小澤。「やっとここまで辿り着きました」
機会があれば、是非ヨーロッパで、現地の聴衆と共にサイトウ・キネン・オーケストラを聴いてみたいものです。
(小沢征爾サイトウ・キネン・オーケストラ欧州を行く より引用させて頂きました。)
小澤さんでも直前まで3割しか売れてないってことがあるんですね。
投稿情報: いもちゃん | 2006年8 月 9日 (水) 00:11